展覧会「The Problem of the Rock」とは、神社でのリサーチを根底としてサイモン・フジワラが取り組んだ、『岩』にまつわる新作の数々を通して、現代社会に疑問を投じる試みです。人類が育んできた文化のなかで、岩は、それそのものが信仰の対象となるだけでなく、ときには宗教的モチーフとしてシンボル化されるなど、これまでもさまざまなかたちで自然や超越的存在である神に想いを馳せる依代として機能してきました。
1982年生まれ。
イギリス、ケンブリッジ大学で建築を専攻後、ドイツ、フランクフルト造形美術大学で美術を専攻。日本人の父とイギリス人の母を持つフジワラは、人類の起源や自分と家族の歴史にまつわる演劇性の高いパフォーマンス形式のレクチャーやインスタレーション、彫刻、ビデオ、創作小説といったその多様な媒体による作品で知られています。
2010年のフリーズ・アートフェアでは、若手作家を対象とするカルティエ賞を受賞。また、「Simon Fujiwara : Since 1982」(テート・セントアイヴス、イギリス、2012)、「Grand Tour」(ブランシュヴァイク美術館、ドイツ、2013)、「Who the Bær」(プラダ財団美術館、イタリア、2021)などの大型個展が開催される一方で、「六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト」、「Imagineering Okayama Art Project、2014」、「Parasophia : 京都国際現代芸術祭2015」等、数多くの国際展に招待される。