石本藤雄 陶展
実のかたち

Date
2018年5月12日 - 2018年7月01日
Artist
石本藤雄 Fujiwo Ishimoto
category

陶芸家 石本藤雄は、1970年から現在に至るまで、ヘルシンキを拠点に数々の作品を発表してきました。フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」においてテキスタイルデザイナーとしての才能を開花させ、当時手がけたファブリックは今なお、世界中で愛され、多くの人々に使われ続けています。1989年以降は活動の軸足を陶芸へと移し、現在はフィンランドを代表する陶器メーカー「アラビア」のアート・デパートメント部門に構えるアトリエにて、陶の表現を追求。その作品世界の魅力は、人間を取り巻く広大な自然へ向けたまなざしから導き出されるモチーフと、独自の感性で施される色彩の豊かさにあります。幼少期を過ごした故郷、愛媛県・砥部町での原風景は、フィンランドでの暮らしの中で触れてきた草木、花、生き物、海、陽射し、風、あらゆる自然環境と響き合い、石本作品の表情となって現れてきました。

宝物殿では、「実のかたち」と題し、石本藤雄による新作を発表いたします。太宰府天満宮の象徴である梅の実は、子どもの頃の記憶から形づくられて着彩されたウォールレリーフ。ゴロンとした存在感が忘れられずに今回初めてモチーフとして取り組んだ冬瓜は、種類の異なる土と釉薬で仕上げられています。ほかにも、ヤマモモ、南天、ブドウといった果実の形に魅せられた石本が本展のために作陶した大皿や立体作品を、釉薬や土の肌合いまでじっくりとご覧ください。

〈展示作品〉

Courtesy of the artist

石本藤雄 Fujiwo Ishimoto

テキスタイルデザイナー、陶芸家。1970年よりヘルシンキを拠点に、ディッセンブレ社、1974年から2006年までマリメッコ社にてデザイナーとして活躍。1989年からはアラビア社アート部門において陶芸作品を制作している。フィンランド政府の工芸工業賞や、カイ・フランク賞など受賞歴多数。2010年フィンランド獅子勲章プロ・フィンランディア・メダル受勲、2011年旭日小綬章受章。