太宰府天満宮アートプログラム vol.7
神戸智行「イノセント・ワールド」

Date
2011年12月25日 - 2012年5月13日
Artist
神戸智行 Tomoyuki Kambe
category

イノセント・ワールドとは自然界におけるささやかな生命の営みのこと。

神戸の手法は、古典技術や技法に則りながら研鑽を重ね自ら編み出したもので、下地に箔をはりめぐらした上に彩色、極薄の和紙、また彩色を施し、何層にもこれを繰り返すことで、独特の空気感や遠近感が生まれ、小さな個々が清新に映し出されます。

この世界観は、日本古来の精神性に基づいており、万物に神が宿るという神道の概念にも通じています。岩絵具の彩で描出された画面上でひたむきに繰り広げられる生命の営みは私たちが生きる日常の営みそのものだと気づかされます。

本展では、神戸が平成22年(2010)、平成23年(2011)にかけて太宰府天満宮にて取材した、梅・花菖蒲など境内の自然をテーマとして取り組んだ新作の数々を紹介するとともに、ご神前に奉納するために描きあげた「一瞬の永遠」(紅白梅図屏風)、平成22年(2010)に国立新美術館で開催された「DOMANI・明日展 未来を担う美術家たち<文化庁芸術家在外研修の成果>」で発表した「陽のあたる場所」も合わせて公開しました。

一瞬の永遠
四曲一双
幸福ノカタチ
幸福ノカタチ
白い影
手を合わせて(表面)、手を伸ばして(裏面)二曲一双

Courtesy of the artist

神戸智行 Tomoyuki Kambe

1975年岐阜県生まれ。
1999年多摩美術大学日本画専攻卒業後、第9期佐藤国際文化育英財団奨学生に選出される。
2001年多摩美術大学大学院日本画専攻を修了。2008年には文化庁在外研修員として、1年間のボストンでの研修を経る。その後2010年に「DOMANI・明日展 未来を担う美術家たち<文化庁芸術家在外研修の成果>」(国立新美術館/六本木)を開催する。
翌年にも「トップランナー 日本画の若き力」(高崎市タワー美術館)
神戸智行展「イノセント・ワールド」(佐藤美術館/新宿、ギャラリー広田美術/銀座)等、数多くの展示を行っている。