日本史上きっての文化人で優れた政治家として名高い菅原道真公(845-903)は、大宰府で清らかなご生涯を閉じられました。御墓所の上に祠庿が造営されたのが太宰府天満宮の草創であり、以来、道真公は天神さまとして崇敬を集めてきました。
信仰の対象として描かれた姿は、和装の「束帯天神像」と唐服の「渡唐天神像」に大別されます。「束帯天神像」は、平安貴族の正装の姿で、ゆかりのある梅や松とともに描かれます。一方「渡唐天神像」は、天神さまが大陸に渡り、禅の教えを受け袈裟を授けられたという時空を超えた伝説とともに大流行しました。
この度、伝来品から近年収蔵のものまで140件を超える天神像コレクションから、40件余を厳選しご紹介いたしました。。南北朝時代14世紀から近代20世紀までの600年。時代の流れを受けて変容してきた天神さまの絵姿をお楽しみいただきました。
さらに、82年ぶりに再発見された名品=狩野山雪 筆「山水花鳥図屏風」をあわせて初公開いたしました。伊藤若冲や長沢芦雪に先駆ける奇想の画家として注目される肥前生まれの山雪の極上の作品世界をぜひご堪能いただけたのではないでしょうか。
【主な展示作品】[初公開◇]
前期 ※終了
束帯天神像 伝 巨勢有家筆、伝 世尊寺行尹賛、南北朝ー室町時代(14世紀)
渡唐天神像 初期狩野派筆、 室町-桃山時代(16世記)
束帯天神背面立像・日月松梅図◇ 狩野昌運季信筆、江戸時代(17世紀)
束帯天神背面立像 加藤千蔭筆、 江戸時代(18-19世紀)
束帯天神像 下村観山筆、 明治時代、1902年(明治35)
見返り菅公像 木村耕巌筆、 明治時代(19-20世紀)
後期
束帯天神像 伝 宅磨栄賀筆、 南北朝時代(14世記)
綱敷天神像 室町時代(16世紀)
束帯天神像◇ 伝 雪舟等楊筆、 嘯岳鼎虎賛、室町ー桃山時代(16世紀)
渡唐天神像◇ 長沢芦雪筆、 江戸時代(18世紀)
束帯天神像 斎藤秋圃筆、 江戸時代、1856年(安政3)
綱敷天神像 幸野楳嶺筆、 明治時代、1893-1895年(明治26-28)
●特別公開「板絵菅公像」佐脇嵩之筆 (江戸時代、1747年/延享4)※終了
会期:令和6年1月30日(火)~令和6年2月18日(日)
期間限定で実作品を公開します(通常、複製展示)
●初公開!併催 「山水花鳥図屏風」 狩野山雪筆 江戸時代(17世紀)
82年ぶりに再発見された幻の屏風。天神さまの守り鳥「鷽(うそ)」をはじめ計33種もの鳥たちが描かれます
会期:通期
●展覧会情報
前期:令和5年12月9日(土)~令和6年2月18日(日)
後期:令和6年2月23日(金祝)~令和6年5月6日(月休)
休館日:月曜日(12月25日、1月1日、8日、2月12日、3月25日、4月29日を除く)、2月20日~22日
時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
会場:太宰府天満宮宝物殿 第1・2展示室 〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4‐7‐1
観覧料:一般500(400)円・高大生200(100)・小中100(50)円
※()内は30名以上の団体料金、障害者手帳提示により付添者1名まで半額料金
主催:太宰府天満宮
後援:太宰府市、太宰府市教育委員会
監修:山下善也氏(美術史家・近世絵画史、同志社大学講師)
●イベント(参加費無料)※全日程のお申し込みは終了しました。たくさんのお申込みをありがとうございました。
講座「天神さまの絵姿七変化―近世を中心に」※この講座は終了しました
日時:令和6年2月17日(土)14時~15時半
会場:講座室(宝物殿地下)
講師:山下善也氏(美術史家・近世絵画史、同志社大学講師、本展監修者)
定員:受付終了
講座「天神と渡唐天神―中世天神画像の諸相」
日時:令和6年3月10日(日)14時~15時半
会場:講座室(宝物殿地下)
講師:福島恒徳氏(花園大学教授・中世絵画史)
定員:受付終了
講座「再発見の狩野山雪筆“山水花鳥図屏風”、その魅力」
日時:令和6年4月20日(土)14時~15時半
会場:講座室(宝物殿地下)
講師:山下善也氏(美術史家・近世絵画史、同志社大学講師、本展監修者)
定員:受付終了
お問い合わせ・講座申し込み先:太宰府天満宮文化研究所
電話092‐922-8225(代表 9時~16時)
FAX 092‐920-5556、メールart@dazaifutenmangu.or.jp
※講座名、参加者氏名、連絡先をご明記ください。詳細は追ってご連絡差し上げます。