菅原道真公(天神さま)は、承和12 年(845)6 月 25日にお生まれになり、延喜 3 年(903)2 月25日に薨じられました。道真公の御墓所の上に創建された太宰府天満宮では、天神さまにご縁の深い25という数に因み、25年毎の御命日にあわせて式年大祭を執り行い、御神威の甦りと天神信仰のさらなる発揚を促すとともに、地域の発展に寄与するため、様々な事業を行ってきました。
文化・芸術の神様として崇敬される天神さまの御神霊をお慰めする意味において、最も大切にされてきたのは、連歌や詩歌の奉納でした。当宮には、天神さまを想い詠まれた歌とあわせ、奉製された作品の数々が大切な宝物として受け継がれています。
中でも明治35年(1902)斎行の1000年大祭、平成14年(2002)斎行の1100年大祭で奉納された、全国各地の多くの有志からの書画や歌の数々が収められた『余香帖』は、時の人々の天神さまへの篤い信仰を今に伝えています。
現在、1125 年大祭を令和9 年(2027)に控え、安土桃山時代の豪壮華麗な建築様式を特徴とする重要文化財「御本殿」の檜皮の葺き替え、漆塗りなどを中心とする大改修を行っています。また、文化財の調査、境内・建造物の整備等、未来に繋ぐための様々な文化事業にも取り組んでいます。
本展では、これまでの大祭の記録とともに、天神さまに奉納された珠玉の作品群を通して、連綿と受け継がれる信仰とその 歴史の一端をご紹介します。
写真:宝物殿地固め(昭和2年)
1025年大祭(昭和3年)記念に開館、福岡県第1号の博物館登録となる