Nerhol「Tenjin, Mume, Nusa」
- Date
- 2024年5月11日 - 2024年8月04日
- category
- 現代アート
太宰府天満宮では、飯田竜太と田中義久がアーティストデュオとして平成19年(2007)から国内外で活動を続けるNerhol(ネルホル)の展覧会「Tenjin, Mume, Nusa」を開催しました。
彫刻家とグラフィックデザイナーという二人の美術家の対話を原点とするその活動は、彼らが巡り会う人々、場所との物語を源泉としており、余波として生まれる作品からは、あらゆる境界を自在に行き来しながら私たちに美術の深遠さを呈します。
時間の経過、記憶を紡ぐ行為に殊更に眼差しを向けてきた二人は、数年前から太宰府天満宮に流れる時間にまつわる概念を共通項として見出すようになりました。
さらに、作品の支持体に紙を使う彼らにとって、紙の起源を麻(ぬさ)に見出したことが本展の基軸となりました。日常的に神事において欠かせない祓串(はらいぐし)や、玉串(たまぐし)などには、麻(ぬさ)が結ばれており、祓いや清めの意味が込められています。
太宰府天満宮の御祭神 菅原道真公「天神」さま、天神さまが好まれた「梅」、そして「麻」を冠した本展では、Nerholにより選定された当宮収蔵の文化財もあわせて展示しました。
数回にわたる太宰府での滞在中、神苑を歩き、被写体と交わした言葉は、神社が1100年以上の歴史の中で大切に受け継いできた自然、ひと、もの、建物の積層された記憶を「彫る」という行為に結実しました。
Nerhol「Tenjin, Mume, Nusa」
会期:令和6年5月11日(土)~8月4日(日) ※7/15を除く月曜休館
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
会場:太宰府天満宮宝物殿 第2・企画展示室 〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4-7-1
観覧料:一般500(400)円・高大生200(100)円・小中生100(50)円
※( )内は30名以上の団体料金、障害者手帳提示により付添者1名まで半額料金
主催:太宰府天満宮
企画協力:Yutaka Kikutake Gallery
Nerhol プロフィール
飯田竜太と田中義久の二人からなるアーティストデュオ。2007年よりNerhol(ネルホル)を結成。書物やそこに印された文字、世界に存在する図像の定型を異化するような探求にはじまり、2011年には数分間かけて撮影した200カット以上の全て異なるポートレートを束ね、それに彫刻を施した立体的な肖像作品で大きな注目を集める。
日常生活において見落とされがちである有機物が孕む多層的な存在態を解き明かす試みがその実践においてなされている。近年の主な個展に、「Beyond the Way」(レオノーラ・キャリントン美術館、メキシコ、2024年)、「Affect」(第一生命ギャラリー / M5 Gallery、東京、2023年)、「Promenade」(金沢21世紀美術館、石川、2016年)、「Index」(Foam Museum、アムステルダム、2015年)など。